第2回 瞑想と心理セラピー

広心
広心です。今日は、瞑想と心理セラピーについて説明します。
ひろ子
先生、質問なのですが、精神系のセラピーっていうと、依存性の高い薬をもらったり、3分ぐらい聞いて、薬もらったり、山奥に行って、祈祷師に除霊してもらうようなことをイメージするのですが?

広心
山奥ではなく、近くでも出来るよ。別に極端な場所でなければ特に問題ないです。

ひろ子
え?そんなこというのは、先生だからじゃないんですか?普通の人だと、田舎に行ったりして、休んだりすることをイメージすると思うのですが。この本とか見てください。神を体験するというプランがあったりするのですが。

広心
偏っているなぁ。でも、これが日本の自殺者が多いのとも関係していそうだね。日本の場合、精神的な病気にかかったら、まず、どこに行く?

ひろ子
精神科医のところかな。

広心
 うん。でも、カウンセラーにカウンセリングを受けるという選択肢では、諸外国では当然のようにあるんだ。しかし、日本には、カウンセリングの習慣がないといわれているため、症状が重症になってからはじめていくんだ。

ひろ子
歯といっしょで、定期的なメンタルケアが必要なんですね。

広心
 歯医者に行くのは、みんな痛い思いをしたくないからだと想像できるからだよ。想像できないから、メンタルケアも厳かになってしまうんだよ。今日は、そんなカウンセラーが使う手法の1つであるゲシュタルト療法と瞑想の関係を紹介するよ。
ひろ子
ゲシュタルト?ゲシュタルト崩壊位しか聞いたことないなぁ。。。

ゲシュタルト療法とは?

広心
 禅をしていて心理療法を思いついたとと言われているのが、ゲシュタルト療法です。ゲシュタルト療法は、「自己の確立」と「成長」を主なテーマにした心理療法で、「自分の気づき」が重要なテーマになってくるんだ。

 

ゲシュタルト療法
実は、瞑想の原理を分かりやすく説明できる心理療法があります。
それが、ゲシュタルト療法と呼ばれるものです。
確立した自我と、自然な成長を妨害する物事に対処する能力を、患者自身が獲得することを助けるための心理療法です。
瞑想と心理療法は、全く別物のように見えますが、実は深い関係があります。
カウンセリングにも色々方法があるのですが、病気や病理に焦点を当てるものが多い中、成長に焦点を強く当てていることが、この療法の最大の特徴です。

* ゲシュタルトはドイツ語。「良い形(good form)」「豊かな全体性(plump wholeness)」を意味する。
この療法では、気づきや創造性を妨げるものに焦点を当て、妨げるものを取り除き、自我を作るうえで、カウンセリングは不可欠と考えられています。(アンセル・ウォルト Ansel Woldt Ed.D より)

3つの気づき

広心
 このゲシュタルト療法は、創始者のひとり、フレデリック・パールズ(フリッツ・パールズ)が、東洋の瞑想で受けた気づきを反映させたものと言われているんだ。日本の禅文化を海外に広くしらしめた鈴木大拙などの影響も色濃く見られ、パールス自身も京都の大徳寺で禅の修行をことでも有名さ。
ひろ子
日本の文化って日本人が一番知らないんですねぇ。
広心
 残念ながらね。日本は過去の歴史や成り立ちを重要視しないからね。
ゲシュタルト療法における「気づき」というのが、瞑想にもつながってくるんだけど、本来の自分を取り戻し、自己成長を促す気づきなのさ。「気づき」には範囲があって、ひとつは体、二つ目は思考、3つ目は自分以外の外界といわれているんだ。
ひろ子
身体の気づきと思考の気づきは、瞑想で気づけるということですか?
広心
 その通り!

ゲシュタルト療法における「気づき」とは、本来の自分を取り戻し、自己成長を促す気づきのことです。その気づきにも、3つの範囲を持っているとされています。1つ目は体、2つ目は思考、3つ目は自分以外の外界です。

体の気づき
生命体は生きていくために自己のからだが必要なことに気づきます。
例:水が足りなくなると、「水が欲しい」ことに気づくこと
酸素が足りなくなると「息苦しい」ことに気づくこと

思考の気づき
中間領域の気づきは知的知識、思考世界の気づきのことです。人は進化の過程で脳の機能を飛躍的に発達させてきました。特に考えることが出来る動物となりました。思考プロセスは物事を善か悪か判断したり、合理的に判断したり、客観的に考えることに役立ちます。また過去の記憶を思い出したり未来のことについて想像することも出来ます。

世界への気づき
自分の外側にコンタクトする時に発生する気づきです。体で「空腹である」ことに気づき、思考で「ご飯を食べたい」と想像しても飢えは満たされません。現実に自己の5感覚(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)を使って食べ物(あるいはお店やスーパー)を見つけ、料理(あるい店に入って)を作り、口に入れて飲み込まないと空腹は満たされないのです。

ゲシュタルト療法では、この3つのバランスの調整が非常に重要とされています。

▼瞑想が効果的な理由

広心
 先ほど、ゲシュタルト療法で、3つのバランスが必要と言いました。座禅や瞑想を行う際、「体」で疲れ等に気づく→「自分の思考」を俯瞰することで自分の考えに気づく→「背筋を伸ばす」「気温を感じる」という一連の流れを実施することで気づきを得る。これによって、3つの気づきを得ることができるのです。
ゲシュタルト療法の3つのバランス
座禅や瞑想を行う場合
「体」で疲れ等に気づく→
「自分の思考」を俯瞰することで自分の考えに気づく→
「背筋を伸ばす」「気温を感じる」「立ち上がる時にふらっとする」ことで、外からみても疲れていることに気づく
これら、一連の流れを実施することで「気づき」が起きるのです。

現代人に起こしがちな、思考のみでの気づきに偏り、自己を見失ってしまう傾向を、瞑想はゲシュタルト療法と同じようにバランスよく調整することができるのです。(ゲシュタルト療法自体が瞑想を応用したものなので、当然といえば当然です)

・ アメリカ・ウィスコンシン大学では、チベット仏教の僧侶にセンサーを付けて測定したところ、左側の前頭前野が活発になっていたことがわかりました。この部分の脳が活発になると、幸福感が増大することがわかっています。
・瞑想中はドーパミンとセロトニンの分泌が増えることがわかっています。つまり、やる気の向上と幸福感を生み出すことがわかっているのです。
ドーパミン:やる気の向上。
セロトニン:ドーパミンの過剰放出を抑える。幸福感を生み出す。

ひろ子
今まであったカウンセリングと瞑想に対する判然とした理解や考えが、ゲシュタルト療法について知ったことで、具体的で細かい療法に向くようになりました。カウンセリングや瞑想だけだと、何の心理療法を指しているのかまでは分からないんですね。
広心
 これこそ「ゲシュタルト崩壊」っていうんだけどね。次回は、どうして瞑想の本を読んでも、中々うまくいかないのか?について説明したいと思います。
それではまた!

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